リーガの開幕に合わせ、開幕版の選手名鑑を、
「やったことないし、たまには」と気まぐれで執筆したところ、
「移籍マーケットが終わったバージョンも欲しい」というお声を、ありがたいことに多くの方からいただきました。
とはいえ、単にポルトガル人の消息不明のサイドバックを消し、マリアーノを追加するだけでは、
なんというかつまらないかなと思ったので、すべてのメンバーを新たに書き下ろしました。
2つの名鑑の区別としては、昨シーズン、ピッチ上でどうだったかを中心に踏まえて書いたものが、開幕版で、まずはこちらをご覧ください。
今回は、序盤の公式戦を踏まえて、新政権下でのチーム内での状況を重視した記述にしました。
なのであえて、9月13日版、です。
ケイラー・ナバス
最近UEFA最優秀GK賞を受賞したGK。
にもかかわらずマドリディスタにはポカの多さが不安視されている。
UEFAスーパーカップ、開幕2戦はスタメンも、
第3節のレガネス戦では前述の賞のトロフィーをベルナベウにお披露目したにもかかわらず、試合ではベンチという珍妙な光景を披露した。
どちらかがCL、どちらかがリーガ担当という、「GKローテーション制」もロペテギは検討しているというが、果たして。
刺激を受けて体のキレ自体はシャープ。
13. キコ・カシージャ
放出が決定的だったが、高額年俸が響き、本人も第3GKの地位を受け入れたのか、
ルカ・ジダン→カスティージャ降格、という強行手段も用いてトップチーム残留になった。
出番があるとは考えにくいが、ロペテギはどうするのか。
25. ティボ・クルトワ
ワールドカップ最優秀GKと、UEFA最優秀GKが対決することとなったレアル・マドリー。
とはいえ、長年のGK問題は、彼の活躍なしには解決不可欠か。
UEFAスーパーカップ、リーガの開幕2試合は出番無しで、ベンチでふくれていたが、
第3節レガネス戦で無事デビュー。
ケイラーにはない身長からなる安定したハイボール対応も見せた。
カシージャ残留により、背番号はやや馴染みのない25に。
2. ダニエル・カルバハル
マドリーが誇る世界最高の右サイドバック。
ロペテギ政権でも彼の地位は安泰そうで、これまで今季公式戦すべての試合に出場。
軽いけがをしたオドリオソラを早くも突き放している。
まだ本調子ではないが、本領はこれから。
シーズン終盤に筋肉系の怪我で離脱する傾向があるので、うまく激務の負担を分散したい。
3. ヘスス・バジェホ
エレガントなセンターバック。
が、怪我が多い。
計算の立たなさに、一時は放出も検討されたが、
幻のロシアW杯の予備メンバーとしてロペテギは彼を連れて行ったように、
彼を信頼しているようだ。
が、怪我が多い。
4. セルヒオ・ラモス
マドリーが誇る鋼のメンタルを誇るキャプテン。
今シーズンからクリスティアーノの後を継ぎ、第1PKキッカーに就任。
得意のパネンカ(チップキック)も含め、危なげなく沈めてるなど、
相変わらずのふてぶてしさを見せている。
英国でも一部地方を中心に人気がある。
5. ラファエル・ヴァラン
ジダン政権下ではわりかし優先的に起用されていたが、
UEFAスーパーカップのやや不安定なパフォーマンスが響いたのか、
開幕戦、第2節はまさかのベンチスタート。知的な俊足ディフェンダーに出番を譲った。
3節レガネス戦ではスタメンに復帰。
ワールドチャンピオンもうかうかしていられない。
昨季は安定感が高まったので、さらにそれを磨きたい。
6. ナチョ
開幕戦ではスタメンで、出色の出来のパフォーマンスを披露。
第2節では調子の上がらないマルセロの左サイドを担当した。
ルイス・エンリケ政権下の2試合もどちらもスタメン。今年も忙しくなりそうだ。
ジダン政権下では、あくまでもヴァランがレギュラーと考えられていた節があったが、
ロペテギはそれがさほどでもなく、
開幕戦のようなCBとしてのプレゼンスを見せればレギュラー奪取も。
12. マルセロ
相変わらずシーズン終盤に向けピークを合わせるコンディション調整で、開幕では誰よりも状態が悪く、
ロペテギは第2節では第2キャプテンの彼を60分で引っ込めたほど。
「100%の状態だったのでびっくりした、ただ監督の決断を尊重する」というコメントで
多少メディアがざわついた。
とはいえ、経験があるので、重要な局面には上げてくるはず。
19. オドリオソラ
プレシーズンでそれなりにアピールをしたのだが、スーパーカップ後に軽い負傷をしたことで
インパクトが薄れたのか、やや遅れをとった格好になり、今の所出場はゼロ。
第3節のレガネス戦では、早くもまさかの招集外で少しメディアがざわついた。
実力は疑いがないので、カルバハルにはない長所を見せることができるかがカギ。
8. トニ・クロース
ロペテギ政権下の極端なポゼッションシフトによって、
地位、重要度ともに上がりそうなパスマスター。
縦に早かったジダン政権下ではなかったフィニッシュへの関与も求められるかもしれない。
事実上、彼のタイプは代役が不在、代表もあるので、
彼もまた疲労との向き合い方もカギ。
10. ルカ・モドリッチ
W杯でのパフォーマンスもあり、UEFA最優秀選手賞をゲット。
マドリーはクリスティアーノに代わりバロンドール受賞を期待している。
…とはいうものの、昨季はクラブレベルでは彼の中では他のシーズンと比べるとイマイチだった。
立場は絶対的だが、第3節のレガネス戦での60分での交代には珍しく不満げ。
ジダンを慕っていた彼だけに、
適度に休ませつつ、ロペテギは彼を満足させるように起用する難しいミッションがある。
14. カゼミロ
ポゼッション志向に移行したチームにあっても、守備の強さ、フィジカルの強さをアピール出来ており、今の所アンカーのポジションは安泰そう。
ジダンは彼を絶対的存在と認め、頑なに外さず、彼は地位を築いたため、
今更ベンチに置くには大きすぎる存在なのかもしれない。
17. ルーカス・バスケス
ジダン政権下では、レギュラーではないがある意味絶対的な立場のカードであったが、
ロペテギ政権下では序列が低下し、メディアでも少し騒がれ始めた。
本職サイドプレイヤーとしての良さをアピールできるか。
18. マルコス・ジョレンテ
自らの価値を証明したいと志願の残留だが、
これまで出場機会はゼロ。
プレーは悪くはないが、家系以外になにかひとつ強烈な武器をアピールしなければ、
コバチッチが抜けたとはいえ厳しいかもしれない。
20. マルコ・アセンシオ
マドリディスタがクリスティアーノの後継者として期待する大器。
事実、COPEの報道ではマドリーは彼に背番号7を提示したようだが、彼自身が断った模様。
開幕からBBCに代わり、「BBA」として3トップの一角に定着。
代表でもらしい派手なミドルレンジからのゴールで、クロアチア戦の大勝の主役になった。
才能は間違いないだけに、あとはすべきプレーの選択とフィニッシュへの関与がカギ。
22. イスコ
El Paisにディエゴ・トーレスという記者がいる。
彼はスペイン代表のロシアでの敗因に、「ラインの間で受けることが出来ない」とイスコのパフォーマンスを挙げたのだが、イスコは最近直々に記者会見で、「君の質問には答えない」と名指しで反発し一騒動に。
MARCAには、「イスコには言いたいことを言う権利があるが、我々ジャーナリストは選手が言って欲しいことをただそのまま書くNGOではない」と書かれた。
ティーンを中心に人気がある。
24. ダニエル・セバージョス
ジダン政権下では、「試合終了30秒前に投入される」など、
ひどい扱いだったが、ロペテギ政権下で輝きを取り戻し、代表にも招集され、
クロアチア戦でフル代表デビューも果たした。
それでもレギュラー扱いではないのだが、本人は充実。前政権下がひどすぎたということか。
テクニシャンらしい小気味よい細かいタッチとターンでリズムを変えたい。
7. マリアーノ・ディアス
クリスティアーノ後の背番号7を自ら継承した男。
リヨンとマドリーの間には取り決めがあり、リヨンへマリアーノ獲得のオファーが入った場合にはマドリーに連絡が入ることになっており、後出しでオファーが可能な状態になっていた。
ロペテギはロシアW杯で彼を招集しなかった張本人であるのだが、
彼が自ら「出場時間は用意する」と直接電話して獲得にこぎつけた。
周囲と合わせながら持ち前のゴールへの貪欲さをアピールしたい。
9. カリム・ベンゼマ
開幕から好調で、早くも4ゴールで現在得点ランキングトップ。(昨季はリーガ5ゴール)
マドリーの、「脱クリスティアーノ」=各々が輝くようになった、というメディアキャンペーンの最たる存在として、
「ピチーチ(得点王)、ベンゼマ」とメディアも煽っている。
彼自身のプレーは本質的にはさほど昨シーズンとは変わったように見えないが、今季はマリアーノの存在もあるだけに、うかうかしていられない。
蜜月だったクリスティアーノのように、ベイル、アセンシオとの連携を高められるかが鍵。
11. ギャレス・ベイル
ウェールズの巨星は目下絶好調で、
「マドリー移籍以来ベストバージョン」「クリスティアーノの後継者」と、
つい最近まで移籍候補だったとは思えないほど、メディアも手のひらを返し、期待されている。
クリスティアーノ移籍で左サイド復帰かと思われたが、相変わらず右サイドがメインになっている。
前線はどうしてもクリスティアーノ不在が目立つため、
主役としてメガスターらしいプレーを披露したい。
TBD ヴィニシウス・ジュニオール
マドリーが期待する大器は、結局カスティージャ(Bチーム)からのスタートになった。
トップチームへの招集はいつでも可能なのだが、ロペテギは公式戦4試合で一度も呼ばず、
スター候補をセグンダBに腐らせているとマドリーフロントは怒り気味。
膨れ上がる期待に彼とロペテギはどう対処するのか。
…ちなみに、開幕版にもコエントランは入っていませんでした。