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18/19 レアル・マドリー選手名鑑(開幕版)

これまで、シーズン中に何度かレビュー記事を書くことはあったのですが、

これまで観戦ガイドみたいなものを書いたことはありませんでした。

とはいえ、W杯もあり、そこからサッカーを見始める方もいらっしゃるかなと思ったのと、

クリスティアーノが移籍したりと、ここ最近あまり面々的に変わり映えしなかったチームが少しずつ変革期にあるので、一度ここで書いてみるのも良いかもと思いたち、書いてみることにしました。

 

私は選手のプライベートだとかSNSだとかにさっぱり興味がないので、

wikipediaの豆知識になるようなことは原則載せませんでした。

あくまで昨シーズン、ピッチ上でどうだったかを中心に踏まえて書いたつもりです。

なので、ほとんど出番がない人は書いていません。書きようがないからです。

それでもよければ、どうぞご一読ください。

なお、背番号はまだ発表されていないので、暫定的に昨シーズンのもので、

未定の選手はTBDと表記しています。

 

 

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  1. ケイラー・ナバス

マドリーの11、 12回目のCLをもたらした守護神…なのだが、反射神経は鋭いがポカが多い。

「FAX事件」の初年度の前半は素晴らしい活躍であったものの、

その後は波のあるパフォーマンスが続いており、昨季のCLでもユベントス戦で致命的なエラーを犯した。

「マドリーを出るのは死と同義」といったコメントを出しており、クルトワとあくまで争う姿勢を示している。

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TBD ティボ・クルトワ

長年のGK問題に終止符を打つと期待されている存在。入団会見では、流暢なスペイン語と、

「エンブレムにキスをしたのはこれが初めてだ」などと挑発的なコメントを残し、早くもマドリディスタに強い印象を残した。

マドリーはもともと彼の獲得序列は低かった、というよりもないに等しく、

より安価で取れそうなアリソンが規定路線だったが、アリソンの額が釣り上がったことで、

改めてチェルシーとの残り契約1年(=来夏フリーで出れる)であることが注目され、

格安の3500万ユーロで獲得。

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13. キコ・カシージャ

昨年はケイラーが不調でもジダンが頑なにコスタリカ人を擁護したことより、出番があまりなかった。

そのため気持ちが切れたのか、出ても冴えのある場面も見られず、放出濃厚。

当人も移籍を希望。

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TBD アンドリー・ルニン

今年獲得した19歳のウクライナ人GK。

当初はしばらく武者修行の路線であったが、プレシーズンであまりに印象的な活躍を見せたため、マドリーはケイラーを追い出して彼を第2キーパーにしたがっている。

GKとしての基本技術に忠実でかつそのレベルが高く、マドリーが好みそうなタイプ。

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2. ダニエル・カルバハル

現在、世界最高の右サイドバック、だと思う。少なくとも「のひとり」を語尾につければそれは間違いない。

マドリーに来てから年々出来ることが増えており、最近はクロスの種類まで増え、マルセロとの両翼はマドリーの最大の武器。

昨年は本職の右サイドバックの控えがプロ1年目のアクラフのみで、そのせいか難病を発症したり最後に怪我したりと負荷がかかった。

オドリオソラにそう簡単にポジションを渡すとは思えないが、新たな刺激が彼をどう変えるか。

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3. ヘスス・バジェホ

エレガントなセンターバック。

が、怪我が多い。

読みは鋭いし、俊足揃いのマドリーのセントラルでは一番遅いが、それでも並のセンターバックよりはだいぶ早い。

が、怪我が多い。

その証拠に今も怪我している。全治4-6週間。

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4. セルヒオ・ラモス

戦士という言葉が似合うマドリーのキャプテン。責任感が強いが、その半面重要度の低い試合ではエラーが散見される。

その一方、ビッグマッチはめっぽう強く、ビッグマッチだけ見ているとスキがない選手により見える。

昨年は彼にしては安定したシーズンで、出れた試合のミスは少なかった。

最近はスピードは多少落ちたが、その分パワーが増した感がある。

マルセロの裏をカバーし、そのポジションからの45度の対角線フィードは芸術の域。ペナルティエリア付近の近い距離の直接FKも得意。

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5. ラファエル・ヴァラン

現チーム唯一の代表での現ワールドチャンピオン。長年出たり出なかったり、膝の怪我に悩まされて伸び悩んでいたが、ぺぺがいなくなった昨シーズンは継続して出場し、より落ち着いて見ていられる存在になった。

弱点は横からのクロスボール。ラモスと違ってヘディングシュートはあまり枠に飛ばない。

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6. ナチョ

マドリーが誇る知的な俊足ディフェンダー。ユーティリティ性ばかりが強調されるが、彼のディフェンダーとしての武器は足の速さと知性である。

右で出る時(カルバハル役)と左で出る時(マルセロ役)でプレーの質を大幅に変えるという、

凄まじいインテリジェンスの持ち主。昨年はマルセロが多用するミドルパスまで覚えてきた。ラモスを真似たのか点まで取れるようになった。

昨年は右サイドバックの代役での出場が多かったが、テオが抜けて本職の左サイドバックの控えがいなくなった今年は左の出番が再び増えそう。

怪我をしないのが売りだったが、ジダンに酷使をされたためとうとうプロキャリア初の怪我をしてしまった。

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12.マルセロ

フットサル的なボールコントロールスキルで敵を愚弄する異端の左サイドバック。

プレーの幅としては昨年は歳なのか、フリーランニングがやや減少したが、その分ゲームメイカー的な要素が増し、彼ののミドルパスからベイルやアセンシオが快足を飛ばしてカウンター、という形は、おなじみになってきた。

彼も悪い意味で経験がついたのか、W杯を意識した昨年は明らかに手抜き状態でスタート。その後あまりにチームが悪いので多少持ち直したが、終盤は再びセーブした。とてもブラジル人らしい。

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19. オドリオソラ

先程カルバハルを世界最高の右サイドバックと書いた。

が、オドリオソラは彼とそう見劣りしないクオリティがある。

サイドバックとしてはより古典的で、カルバハルより出来ることは多くないが、よりスピードはあるし、上下のフリーランを惜しまない。

W杯ではどこかの知的な俊足ディフェンダーに阻まれて本職なのに出番がなかったが、

プレシーズンでアピールに成功。

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8. トニ・クロース

昨年は一皮向けた。

いや、もうクロースはすべてを確立した選手だろう、とご指摘を言われそうだが、

そのレベルがひと段階上がった。

去年の猛烈なコバチッチによる突き上げが、ドイツ人らしくない彼をも動かしたのかもしれない。

マドリーに彼のパスワークが不可欠と言われたことはないが、同時に外す選択肢もない。

そんな存在。

ジダン政権下では一貫してインテリオールの起用だったが、

ロペテギはプレシーズンで久々にアンカーでもテスト。

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10. ルカ・モドリッチ

W杯でさらに名を挙げ、ディ・マリアでもクリスティアーノでも渋ったフロレンティーノが

チーム内での立場の上昇、およびあっさり昇給を認めた異例の存在。

昨シーズンは彼にしては今一つで、トップフォームになりきらないまま終わってしまった感があったが、いないとその存在が際立つ。

W杯の疲労と、負担増にどう向き合うかが注目ポイント。

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14. カゼミロ

よく、「なぜカゼミロは守備に徹せずふらふら上がるんですか」と聞かれる。

守備だけしてるのが楽しい人間なんているだろうか。ましてブラジル人なのに。

マケレレで現役時代懲りたジダンは頑なに外さず、彼をアンタッチャブルな存在にした。

ロペテギはもう少し攻撃志向が強そうだが、ポルト時代の教え子でもある。彼の扱いは焦点。

一昨年はアンカーなのにカードを貰っていると代えられるなど、あまり良いシーズンではなかったが、

彼もまたコバチッチの突き上げを喰らい(スーペルコパで2戦連続スタメン落ち)、奮起して充実したシーズンとなった。代表でも活躍。

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17. ルーカス・バスケス

これまでは、「守備は頑張るが攻撃には期待できない、それでもジダンにひたすら寵愛される存在」だったが、

昨年は大幅に改善され、ジダンが採用する4-4-2の右サイドとしてアセンシオとともに後半戦のマドリーを支えた。

ベイルを別にすれば右の本職サイドプレイヤーは彼しかいない。

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18. マルコス・ジョレンテ

マドリーにはパコ・ヘントというCLを6回獲得した男がいる。

彼を大叔父に持つサラブレットがマルコス・ジョレンテだ。

昨年はほとんど出番がなく、マドリーも放出を望んでいたが、

自身の価値を証明したいと自ら残留を志願。守備的なボランチで、カゼミロにない強みを出せるかがカギ。パスワークの向上が必要。

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20.アセンシオ

マドリディスタがクリスティアーノの後継者として期待する大器。

序盤戦はスーペルコパでの一発にはじまり、ゴラッソを量産したが、徐々にトーンダウン。

年明け後4-4-2の左サイドハーフでルーカスとのペアで復調したが、最後に再トーンダウン。

まだプレーの選択、自分の役割に悩んでいる印象があり、

ふてぶてしく主役になることが求められている。

ストライカー不足からロペテギは偽9番としてもプレシーズンではテスト。

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22. イスコ

MARCAは去年ダービーでスコアレスの内容の乏しい試合後、加入後初めて彼を批判した。

それまでそんなことはなかったのに。大事件だった。

その後、「イスコマニアの存在が~」などといろいろうるさく書かれることになったが、

ユベントス戦の1st Legで失地回復し、ファイナルでもベイルを差し置いて先発した。

チームの共有するゴールのイメージに彼が中に入れるかが最大の焦点。

ティーンを中心に人気がある。

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24.ダニエル・セバージョス

昨年、彼を狙っていたバルセロナの戦力アップを阻止するために1500万ユーロで獲得。

だが、ジダンに尽く使われず、大事な出番での出場はほぼゼロ。招集外も不当に多かった。

しかしながら、ロペテギは彼を重用する方針を打ち出し、状況は一変。

中盤の3ポジションをすべてこなしていたコバチッチが抜けたことで、枠も空き、

気は熟したとばかりプレシーズンでは躍動。

いかにもテクニシャンらしいボールの持ち方とプレスをいなすターンが魅力。

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9. カリム・ベンゼマ

彼ほど毀誉褒貶が激しい男も珍しい。

しかし彼は優秀である。ポストプレイヤーとしての彼は超一品だ。

しかしゴールゲッターかどうかは怪しい。

スアレスなどにあるボールに喰らいついてゴールにねじ込む姿はない。

去年はクロースと同じリーグゴール数(5)で、さんざん叩かれた。

しかし、大事な場面でのゴールが多い(しかも先制点)のも事実で、CL準決勝2nd Leg、決勝では合わせてその他のリーグ戦の半分以上である3ゴールを決めた。でもふたつはGKのミス。

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11. ギャレス・ベイル

意外かもしれないが、最後の負傷は昨年の11月。

昨年はとことん出場機会に恵まれず、バイエルン、パリ、ユベントスのCL6試合で先発はひとつだけ。

ファイナルでの大仕事の後も「代理人と相談する」と発言するなど、放出が決定的だったが、

ジダンは去り、クリスティアーノ後の旗頭としての新たな立場を提示され、本人も乗り気。

しかし、ロペテギは彼を右サイドで起用している。

ここ数年ですっかりプレーが脇役じみた引き立て役のそれになっており、

主役として再モデルチェンジを出来るかがカギ。

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21. ボルハ・マジョラル

スペインには嗅覚を武器にするストライカーの系譜がある。ボルヒータはまさにそれだ。

ポストプレーなどはあまり得意ではないが、なぜかそこにいて得点を少ないタッチで決める。

こういうタイプは間違ってプレミアに行くと失敗する。

去年はムバッペ獲得失敗もあって、ヴォルフスブルクで3ゴールしかしなかったこの男はなぜか残された。

しかし悲しいかな、ジダンに全く信用されなかった。出ればそれなりに仕事はしていたが。

昨季のCL決勝トーナメントはすべてベンチ外。当人も移籍を希望している。

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TBD ヴィニシウス・ジュニオール

マドリーが4500万ユーロを支払ってフラメンゴから獲得した左のアタッカー。

マドリーはネイマールに3度フラれた経緯があり(15歳のマドリー練習参加時、バルセロナ移籍時、現在)、彼が大成したため、「もうこの悲劇は繰り返すまい」と意地になって獲得した。

プレシーズンでは評判に違わぬ「ネイマールっぽさ」と、意外にも球離れの良さや周囲の連携を見せ、トップチーム入りにアピールした。

ポテンシャルはあるが、前任者が前任者ということもあり、プレシーズンでほぼ見ることが出来なかったフィニッシュワークがどうか。