まず、スタメンに驚きました。
今季のマドリーは、3つの形があります。(序列順)
①4-3-3 BBC
②4-3-1-2 イスコトップ下
③4-4-2 ルーカス、アセンシオがワイド、カゼミロを外したダブルボランチ
今日の試合の大方の予想は①で、チームの調子が戻ったのも、ベイルの復帰により②から①に布陣が戻った時と重なっています。
思えばベイルは直近の週末のソシエダ戦でも20分前後の出場でした。
もしかすると、ベイルが公表されていないだけで、2-30分程度しか使えない状態であり、スタートからベストの①では行けなかったのかもしれません。(そうは見えなかったですが)
そうだとすれば、ジダンのペッキングオーダー的には納得出来ないこともないのですが、
③で挑んだソシエダ戦が良かったこと、またここ2週間ほどイスコの出番がほぼなかったことから、大きな驚きの起用でした。
個人的には、この決断はとてもディフェンシブだなと思いました。
4-3-1-2で相手の中盤(4-3-3)よりも中盤を一枚多くして、
再三指摘されているこの布陣の攻撃面での欠陥よりも、パリからボールを取り上げて、1-0、2-0といった無失点試合を狙ったように感じました。
序盤から猛烈にプレスをかけたものの、実際には前半の冒頭以外は、試合の主導権が交互に来る前半でした。
パリはマドリーの4-3-1-2の欠点である、相手のサイドバックを見ることが出来ないという欠点をうまく突き、先制点を奪います。
それまではこの欠点をモドリッチやクロースが必死に運動量でカバーしていたのですが、
前半終わりの時間帯という疲れが来る時間での失点は、ある意味想定出来る展開でした。
ただ、マドリーがコーナーから安易なPKで同点に出来たのは、素直にとても幸運だったと思います。
後半は、中盤の運動量の低下がさらに目立ちはじめ、50-70分くらいまではパリの時間が続きました。
前述の通りサイドバックが見れない布陣で戦っているため、アウベスにいいようにやられる時間がしばらくありました。
しかし、ここでおそらく今日の大きなトピックであろう、交代策が試合を分けます。
マドリーはイスコを下げ、ルーカス、アセンシオを投入して、サイドをワイドに使う③の布陣に変更。
この布陣の長所である、サイドが2枚になり、高い位置で起点が出来ること、またサイドバックとの連携(特に元々連携の良いアセンシオとマルセロ)から2点を奪います。
この交代策は、エメリの策が不発だったこともあり、とても好対照に映りました。
今日のスタメン、交代策から言えることは、
少なくともジダンは(少なくともある程度)イスコに期待していたということと、
後半、勝負に出て、それに勝ったということです。
カゼミロをホームで切ったことからそれは明らかです。
個人的には、元々のプランであった(であろう)ボールを取り上げることについては、あまり出来ていないように感じました。
どこまでプラン通りだったかはジダンのみぞ知るところです。
が、悪かったにもかかわらず失点が1点だけで済み、すぐに追いついたこと、後半の危ない時間帯をゼロでしのげたこと、そしてアセンシオの活躍。
コインを投げたら常に表が出る感じが、とてもCLのジダンらしいなと感じました。