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クラシコ前日なので極めて雑にこれまでの背景とか、そのあたりの話を(また)します

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どうもこんにちは。

普段はnoteとかで、マドリーのことを月4くらいで濃密に書いています。

今日はクラシコも近いので、これまでの両チームの歩みを、普段はリーガとか見てないけどクラシコくらい見ようかなー、くらいのスタンスの人向けに、極めてライトに、雑に書こうと思います。

なので両チームのファンの方は読む必要はありません。


さて、みなさんの両チームの今のイメージってどこで止まっているでしょうか?

マドリーはこの間CLでリバプールとやりました。なので記憶に新しい人も多いのかもしれません。あのチームです。

バルサはどうでしょう?私はマドリディスタなのであんまりバルセロナの話は深入りする気はないのですが、さすがに2-8とまでは言わないまでも、とりあえずエンバペにやられたイメージあたりで止まっている方も多いかもしれません。

では、最新のニュースをひとつ。会長が変わりました。

新たに会長となったラポルタ会長は、昨日カタルーニャ州警察のNo.2のフェラン・ロペスをセキュリティ・ディレクターとして招き入れました。

カタルーニャ州警察といえば、前会長ののび太ことバルトメウを逮捕した組織でもあります。このあたりまでは記憶にある方も多いでしょうか。

その後選挙があって、今はラポルタという人になりました。昔ロナウジーニョを取ってきた人です。

あ、この人になったのでメッシの移籍の可能性はだいぶ減りました。

実際のところ、セキュリティ・ディレクターという職が何をするものなのかはわかりません。バルトメウ時代には取締役会が盗聴されていたりしたそうですから、諸々関係のためかも、などと言われてます。

さて、前回も「バルセロナはフロントがゴタゴタしていてもピッチ上にあまり反映されない」という話をしたと思います。

まさにというべきか、会長選挙前後は揺れに揺れまくったバルセロナでしたが、今のバルセロナの状態は、最高と言って良いと思います。

リーガに限ればとにかく負けがありません。1月末あたりはあまりの試合過多で選手が疲弊していましたが、CLの敗退とコパが一段落して、余裕が出てきました。

2021年にリーガで勝ち点を落としたのは2月のカディス戦のみです。コパでは1st Leg 0-2の劣勢から2nd Legでセビージャをひっくり返して決勝に進出しました。

なぜ好調かといえば、クーマンがシーズンの最適解を見つけた、というのが私の見方です。

バルセロナのシステムは4-2-3-1、4-3-3を経て、現在は3-5-2に落ち着きました。4-3-3もほぼ出来上がっていたのですが、例の疲労困憊の際にパリと当たったため、クーマンは多少重心を後ろに下げて微修正を加えた形です。

2トップはデンベレをトップに回し、メッシと2トップを形成しています。

そう、あのデンベレです。「怪我がち」というイメージを持つ方も多いと思いますがそれはもう過去の姿です。専属のシェフを雇ってコンディションが上がったとか、クーマンの期待に応えようとプロ意識が上がったとか色々言われていますが、現在最高の状態です。快足の彼が最前線にいるのでシンプルなカウンターもバルセロナのバリエーションに加わりました。彼を筆頭に、デスト、デ・ヨング、ペドリらの若手が才能を遺憾なく発揮しているのが今のバルセロナです。


さて、一方のマドリーはどうでしょうか?

マドリーも、実は非常に調子が良いです。2月は全勝でした。3月はアトレティコに引き分けましたが、アタランタを退け、リバプールとの1st Legも3-1で勝利しました。2シーズン連続でCLベスト16は、CL至上主義のマドリー的にはかなりショッキングな出来事だったのですが、今季はそれを払拭したので、チームのムードも非常に良くなっています。何より3連覇時代の面々が、一周してモチベーションがフレッシュになった感がありますね。

マドリーの調子の良さの理由は色々ありますが、キャリアのピークを迎えている選手の輝きと、チームプレイヤーの奮闘が上げられると思います。

前者、キャリアのピークに関しては、クロースとクルトワがそれに該当します。

クロースのリバプール戦でのヴィニシウスへのロングパスはバイラルヒットとなりました。今のクロースはいつもあんな感じです。なんならあの試合はマドリーの割には中盤はリズムが掴めなかったほうです。

その素晴らしい状態のクロースにモドリッチ、カゼミロが加わります。3連覇時代と面々は変わっていませんが、クリスティアーノが主役だった当時のチームと比較し、今のチームの中心は間違いなくこの中盤で、現在再評価が著しいです。プレスをかけてもロングパスと個人の技術でなんなくいなす様を、ぜひ見てください。

もうひとつは、チームプレイヤーの奮闘です。現在マドリーはラモスとカルバハルというキープレイヤーを長いこと欠いています。ラモスは膝の手術から復帰したのですが、直後に代表で怪我しました。

ラモスは現在代表で180キャップあって、世界記録が184でその更新を目論んでいます。それを狙いジョージア戦で3-1でリードしている中、最後の5分だけキャップ稼ぎに出場し、試合後のランニングで怪我しました。これには批判殺到です。

そしてカルバハルは、ようやく練習に復帰しましたが今季は怪我がちで、離脱を繰り返しています。

それでも、ナチョ、ルーカス・バスケスといったジダンを1次政権から支えているバイプレイヤーの存在が彼らの穴を埋めて余りある活躍で、輝きが際立っています。

リバプール戦ではとうとうヴァランもCOVID-19で離脱し、ディフェンスラインの4枚は本職右ウイング、第3、第4センターバック、メンディという構成でしたが、何事もなかったかのように終えました。

さらに現在では、長いことパッとしなかったウイング陣も、アセンシオは4試合連続ゴール、ヴィニシウスはアタランタ、リバプール戦とビッグマッチで決定的な仕事をし、ジダンの我慢がようやく実りつつあります。

アセンシオは先日、マドリー女子選手が女性蔑視的リプライを受けたのを見て、すかさず「情熱は同じ」とつぶやいて、今はそれはジェンダー差別に反対するムーブメントの口火となりました。気になる方は”MISMA PASIÓN”で検索してみてください。

加えてベンゼマも絶好調です。スタッツだけ見ればメッシと大差なく、マドリーメディアでは両者を比較する向きすらあるほどです(さすがに色々差があると思いますが…)


さて、長々と書いてきましたが、この試合の何が見どころかを端的に言うならば、

どちらのチームも非常に状態が良いこと。そして勝ったほうが、リーガの覇権に近づくことです。

今の首位はアトレティコですが、アトレティコはここ10試合で14ポイントを落としています。2月の末では2位とはふた桁ポイント差がありましたが、今や1です。

さらに、スアレスもふくらはぎの怪我で昨日離脱が発表されました。4月はほぼ出れそうにありません。

ちなみに、マドリーは直後にリバプールとの2nd Leg、バルセロナは翌週にコパの決勝を控えており、双方ともにクラシコのみを見据えているわけではありません。

しかし、大事な試合が控えているからこそ、ここでお互い勢いを殺されるわけにはいかないというのも事実です。むしろ勝利して、他のコンペティションにはずみをつけつつ、リーガの最終盤を迎えたいという天王山です。

欠場者はマドリーが先述のラモス、カルバハル、ヴァランが確定です。アザールは練習には復帰していますが出すか謎です。ちなみに彼はまだクラシコの出場がありません。

マドリーは週中のリバプール戦も踏まえて、3バックを採用してマルセロを起用する線もかなりあります。スペインといえば4バックという時期も長かったのですが、クーマンに触発されたのか、ジダンも最近は3バックをよく使うようになりました。3バックだとマルセロを守備の負担をあまり気にせず使えることが出来、新たなオプションとして強力です。その場合はモドリッチは休養になるかもしれません。

バルセロナはアンス・ファティがいません。半月板を痛め膝の手術を2度行ったのですが結果が思わしくなく、リヨンの病院でセカンドオピニオンを得た上で、まもなく3度目のメスをいれるかどうかを決めると思います。今季はおそらく絶望です。あとは膝の怪我を押して一時は強行出場していたピケがそろそろ復帰しそうですが、間に合うかはかなり微妙です。練習を開始してますがフルパワーではやっていないようです。あとは出れると思います。

要するに勝ったほうが、ややペースを落としているアトレティコと優勝争いをするチケットを手にする戦い、と言えると思います。

こんなところでしょうか。クラシコはスペインサッカーの華ですから、以上を踏まえて、ぜひ楽しんでください。では。