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24-25 レアル・マドリー選手名鑑

みなさんこんにちは。

普段はnoteでマドリーのことを書いています。

EUROも終わり、オリンピックからあっという間に新シーズンが始まりますね。

レアル・マドリーは昨季15回目のCL、リーガを達成しました。

ベリンガムの入団があったものの、ベンゼマ退団、クルトワ、ミリタオ(後にアラバも)の大怪我もあり、去年の今頃あまり楽観的な予想ではありませんでした。

なのでCLとリーガのダブルは正直、望外の結果です。

そしてとうとう、7年間のロマンスの末、エンバペが来ました。長かった。

こんなに1人の選手を移籍市場で狙い続けることは、今後起こらないのではないでしょうか。

一方、2014年からチームの軸だったクロースが、彼らしく気まぐれに引退しました。

伝統的にレアル・マドリーは組織が先ではなく、卓越した個を活かすようにチームを作ります。

そんなわけで、優勝チームなのにチーム再編を強いられています。

日本ではU-NEXTさんがプレミアの放映権を取得し、プレミアファンの方にもリーガが身近になりました。

第2の推しでもいいので、ファンが増えてくれればいいなと思います。

噂のエンバペ見に行くかーくらいの気持ちで、ポチッと視聴ボタンを押してくれると嬉しいです。

レアル・マドリーはおそらく世界で最も政治的なクラブであり、普通のクラブではないです。
その中での人間模様が魅力のクラブであります。

そうした事情も時々踏まえつつ、マドリーの現状をお伝えしようと思います。

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1 ティボ・クルトワ

昨季は練習中に左膝の前十字靭帯を断裂し、復帰間近の3月19日、今度は逆の右膝の半月板を損傷。

復帰間近から再び精神的苦悩を味わった。

CLでチームが決勝に進出すると、ルニンと復帰後のクルトワどちらを起用するのかという「GK論争」が勃発。

メディアは騒いだが、チームは早々にクルトワ先発の方針を決定。

クラブの信頼に応え、復帰直後にもかかわらずファイナルでは格の違いを見せた。

いるといないではチームのレベルが変わるレベルの存在。

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13. アンドレイ・ルニン

クルトワ負傷後、代役としてチームは彼を差し置いてケパを獲得。

この状況に奮起し、ケパからポジションを奪い、クルトワ不在のチームを支えた。

CLシティ戦のPKではベルナルド・シウバのパネンカを、母国の天候のように冷徹にストップしチームを救った。

契約は2025年まで。昨季の活躍で一気に人気が高まり、ファンは彼の移籍話にやきもきする。

無口な人間としてマドリー内では知られており「内面はほとんど謎に包まれている」「練習をするために生きている」と思われているらしい。

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2. ダニ・カルバハル

CL決勝でCKからゴールを決め、MOMに。

シーズン通して別格の存在感で、おそらく現状の世界最高の右サイドバック。

個人として6度のCL獲得はマドリーの長い歴史でもパコ・ヘント(50~60年代の選手)、そしてモドリッチ、クロース(バイエルンで1度)、ナチョと彼のみ。

EUROでも随所で存在感を示しチームの屋台骨として君臨し、取れる主要タイトルを総なめした。バロンドールに推す声も。

昨季はマドリーではバルベルデと独特のバランスで右サイドを運営し、攻撃面ではむしろカルバハルのほうが主役。

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3. エデル・ミリタオ

昨季は開幕戦で左膝の前十字靭帯を断裂。

負傷前は世界最高のセンターバックが視野にあったが、大きなキャリアの苦悩を味わった。

回復は順調で4月にチームに復帰したが、パフォーマンスは戻らず、クルトワのように決勝戦でプレーすることは叶わなかった。

今季はかつての状態を取り戻すことが必要。

信仰深く、怪我のリハビリ中はほぼ毎日聖書を読んでいたらしい。

一方で私服はストリート系。

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4. ダビド・アラバ

昨季の3人の「十字軍」(前十字靭帯を断裂した選手)のうち、最も回復がうまくいかなかった選手。

12月に負傷し、現在でも復帰の目処が立たない。

前十字靭帯に加えて半月板、腱を負傷しており、何度か細かな再発を繰り返し5月にも再手術を行っており、マドリーは現在は2024年内の復帰は難しいという見解。

まずはピッチに立つことが目標。

17. ルーカス・バスケス

カルバハルの控えとして、(もちろんカルバハルほどではないにせよ)出れば常に期待に応える縁の下の力持ち。

実力を考えれば出番は不当に少ないが、チームに忠誠を誓うソルジャー。

ベルナベウのクラシコではゴールを含め3得点に絡む活躍を見せた。

マドリーは彼の控えとしての模範的なパフォーマンスを高く評価している。面倒見がよく、新加入選手と打ち解けるのも早い。

クロースが突然引退を発表し、ファンが悲しむ中「少なくとも俺トレンドに入ってる?」と相変わらずのつぶやきをすると、上記のように応戦した(両者は非常に仲が良い)。

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18. ヘスス・バジェホ

ジダン1次政権最終年に獲得した選手で、昨季はグラナダにレンタル。

ほとんど戦力外扱いだったが、マドリーが長く追っていたレニー・ヨロがユナイテッドに奪われてしまい、頭数としてカウントされるようになった。

とはいえ、センターバックとしてもチュアメニが優先される確率が高く、出番は限られそう。

現状は数合わせ感は否めない。

ナチョの退団セレモニーに黒のTシャツ姿で現れ、大物っぷりを見せた。

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20. フラン・ガルシア

昔ながらのサイドバックのプレースタイルで、昨季は控えとしてそれなりの戦力だったが、突き抜けたものを見せることが出来ずパフォーマンスに説得力を持たせることが出来ていない。

プレシーズンでも出来がイマイチで、微妙な立場。

長く狙うアルフォンソ・デイビスが今季か来夏に加入すれば放出されそう。

風のようにサイドを駆け抜けるが、いざ風が吹けば吹き飛ばされそうな現状がある。

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22. アントニオ・リュディガー

移籍初年度は完全なレギュラー奪取には至らなかったが、2年目の昨季はミリタオ、アラバ離脱により、一気にDFラインのリーダー格に。

一気に序列のトップに浮上し、終始安定したパフォーマンス、そして負傷なくシーズンを駆け抜けた。

フィジカル能力に加え戦術的にも穴が少なくなり、完全無欠なセンターバックに近づきつつある。

エル・ロコ(クレイジー/狂人)を自称し、優勝パレードでは「エル・ロコがここにいるぞ!」と絶叫した。

実績を感じさせない明るいキャラクターがチームに愛されている。

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23. フェルラン・メンディ

フロレンティーノは彼を常にあまり評価しないが、ジダン、カルロ共に常に重宝する守備的なサイドバック。

年明けからアルフォンソ・デイビスの噂が断続的に報じられても、カルロは「私にとっては守備面では世界最高のサイドバック、彼を抜くのは困難」と公に何度も擁護。

カルロの加護に応え、昨季のパフォーマンスは過去最高レベル。

食生活を改善して怪我がちという評判を一蹴。

一見不器用なようだが、実はプレスの回避もうまい。

カルロがあまりに好むので、フロレンティーノも根負けし、2027年までの契約延長の方向。

最も政治的なクラブで、実力で苦境を跳ね返す稀有な選手。

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5. ジュード・ベリンガム

昨季はゴールスコアラーとして覚醒し、リーガ19ゴールでMVP。

“Hey Jude“はベルナベウのアンセムとなった。

勝負どころのゴールが多く、彼のスター性を際立たせた。

また人格面の成熟度を称える声が多く、カルロも「私にとってみれば、アルダ・ギュレルは正直子供、ただベリンガムは違う」と舌を巻くほど。

終盤は肩の脱臼や足首の負傷、そして疲労によりやや失速。

当初の予定ではEURO後に肩の脱臼を手術する予定だったが、今のところそのまま。

バカンス中、カルロからの電話に出ず、カルロはヴィニに電話させるとすぐに応答。カルロはヴィニの電話で話した。

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6. エドゥアルド・カマヴィンガ

明るいキャラクターが愛されるチームの弟分。

昨季後半はクロースの相棒としてほぼ固定され、チュアメニとのポジション争いに勝利。

持ち前の万能性とパワーで、レジェンドのラストダンスを影で支えた。

しかし、UEFAスーパーカップの前日練習で、左膝の内側側副靭帯を痛め全治2ヶ月。

ワルシャワの無人のスタジアムに彼の絶叫が響き渡った。

膝の大怪我に苦しむチームは、最悪の自体を覚悟した。

中長距離のパスを中盤の底から散らすことが出来、クロースの後釜にすんなり収まる可能性もあっただけに、手痛い離脱となった。

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8. フェデ・バルベルデ

昨季は原則としては4-4-2の右ウイングとして起用されたが、チュアメニ、カマヴィンガが同時に離脱した際は本職の中盤センターでも起用され、クロースの相棒としてチームをプロテクトした。

右ウイングは本人はあまり好きではないようで、会見で右ウイングについて問われると「得点に絡める」などと適当に言葉を濁すが、中盤センターのことを聞かれると明らかにいきいきと語りだす。

選手として脂が乗り切った状態で、中盤を縦横無尽に駆け回る。カルロが最もイレブンから外したがらない選手で、事実上代役は不在。

クロース直々の後継者指名により、背番号8を継承。

UEFAスーパーカップでのゴールで、彼に捧げるジェスチャーを見せた。

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10. ルカ・モドリッチ

39歳で新たに契約を勝ち取り、マドリーの最年長記録をほぼ独占することが確実に。

一方で昨季はとうとうレギュラーの座を失い、クロースのリリーフとして15-20分起用されることがほとんどだった。

今季はクロース退団で、3センターの中盤の底の起用も考えられる。

ナチョ退団により今季から第1キャプテンに。スタートから腕章を巻くゲームを増やしたい。

カゼミロ-モドリッチ-クロースという、CL3連覇を支えた伝説の”CMK”トリオも、もう彼が最後の1人。

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14. オーレリアン・チュアメニ

昨季は10月7日のオサスナ戦からセンターバックとして起用され、当初は「1試合限定」と自ら宣言していたがすっかり定番化。

センターバックとしては安定したパフォーマンスでチームを支えた。

ほとんど出ずっぱりで、疲労が祟り最後は中足骨を疲労骨折でリタイア。ドルトムントとのCL決勝はスタンドから見届けた。

一方、本職の中盤の底としてはやや不安定でカマヴィンガに押され気味。

今季もセンターバックとしての起用が多くなりそうだったが、カマヴィンガ離脱でしばらくは中盤。

センターバックで起用された際「(左サイドバックで起用された)僕も通った道だ」とそのカマヴィンガにかなり笑われたという。

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15. アルダ・ギュレル

1年目の昨季は半月板損傷をはじめ序盤は負傷に悩まされたが、リーガの行方が見えた後半戦にほぼ毎試合得点し、最終的には10試合6ゴール。

EUROでも鮮烈なミドルを決め、次世代のスターとしてのポテンシャルの規模を世界にアピールした。

古典的なトップ下タイプだが、左足のシュートのパワーを持ち合わせており点が取れる。

Xでの投稿の際、画像を拡大すると別の画像が上下に仕込まれており、毎回凝っている。

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19. ダニ・セバージョス

ジョーカーとしての活躍が認められ、昨オフ2027年まで契約延長を勝ち取った。

しかしみるみるパフォーマンスが低下し、出場しても致命的なボールロストを繰り返し、ほとんど昨季は戦力外。

クロース退団でテクニカルな中盤は不足気味で、本来はチャンスなはずなのだが。

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7. ヴィニシウス・ジュニオール

ドルトムントとのファイナルでは試合を決める2点目を決め、21-22に続きCL決勝で2戦連発。

チームを勝たせるエースとして、結局は彼の背中がチームを牽引し続けている。

また、カルロによって左ウイングだけでなく、2トップの左でのプレーを覚え、より中央でのプレーに適応。昨季はロドリゴを本職の左ウイングに置き、ヴィニシウスを中央の左に置く布陣を採用したこともあった。

今季はエンバペの加入により、同じく左サイドを得意とする彼と息を合わせ、交互に得意のエリアでプレーすることが求められる。

バロンドールも視野に。

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9. キリアン・エンバペ

とうとう彼がやってきた。

レアル・マドリーは新たなベルナベウで、入団セレモニーを盛大に執り行った。

入団会見では、既に在籍しているフランス人選手達より流暢なスペイン語で、「夢だった」と繰り返した。

ヴィニとの共存のため、センターフォワードでの起用が予想される。

特に2022年の土壇場でのPSG残留で、ファンの一部には根強い拒否反応がある。

結果で黙らせることが必要だったが、早速UEFAスーパーカップでゴールを決め、幸先の良いスタートとなった。

背番号9はおそらく仮住まい。

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11. ロドリゴ・ゴエス

クラブは次世代の看板にしたいと推し続けているが、昨季新たに与えられた2トップの一角としては誰もが納得させるパフォーマンスを見せることが出来なかった。

またCL決勝直前に移籍を示唆したり、「マンチェスター・シティは僕にとって世界最高のチーム」といった発言をしたことで、批判も受けた。

エンバペ加入で最も影響を受ける選手と考えられており、正念場か。

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16. エンドリック

レアル・マドリーが6000万ユーロの大金を払い獲得した18歳の大砲。

2022年に獲得していたものの、FIFAの規定によりしばらく合流が出来なかったが、晴れてチームの一員に。

チーム唯一の純然たるセンターフォワードで、強烈な左足のシュートと170cm前後ながらポストプレーも巧み。

ニューバランスとサプライヤー契約をしており、「ジョーダンとナイキのそれのよう」な契約とマドリーは喜んでいる。

ベリンガムは彼を「ボビー」と呼ぶ。

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21. ブラヒム・ディアス

昨季ミランからの長いレンタルから復帰し再加入。

とはいうもののアセンシオ退団を受け、とりあえず控えとして残しただけで当初の期待は低かった。

しかし怪我人が続出したことにより出場機会を得ると、両ウイングの控えとして貴重な駒になり、当初の低い評価を跳ね返した。

CLライプツィヒ戦での見事なゴールがハイライト。

カウンターで威力を発揮するアタッカーが多い現在のマドリーで、知的にライン間でボールを引き出すことが出来、引いた相手の攻略が得意。

マンチェスター時代の経験から英語が堪能で、ベリンガムやアルダ・ギュレルのスペイン生活の手助けをするなど、ランチ仲間として仲が良い。

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監督 カルロ・アンチェロッティ

当初はセレソン監督就任が有力視されたが、ブラジルサッカー連盟の会長が変わったことで(カルロにオファーを出した会長が辞任)、状況が一変。2026年までマドリーと契約延長した。

昨季はベンゼマ退団、ベリンガム入団で全く新たなチームを作ることを強いられたが、例によって手持ちの戦力で見事に配置を調整しCL、リーガをダブル。

ベリンガムの得点力を最大限引き出したチーム作りに加え、クルトワ、ミリタオ、アラバの「十字軍」、ヴィニ、カマヴィンガなど怪我人が相次ぐ中で、ブラヒムやホセルといったサブキャストまで余さず活かしきった手腕は高く評価された。

定評のあるわがままな会長とスターのマネジメント能力に加え、近年では若手を見守り、成長を促すサッカーの賢者的な役割も担う。

記者会見がうまく、ジョークを交えつつも品のある回答はクラブのスポークスマンとしても超一流。

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会長 フロレンティーノ・ペレス

エンパペガチ恋勢から、ついに本当に推しと恋を成就させた、77歳執念系スペイン人男性。

推しの入団会見では「フロレンティーノ」コールが起き、ご満悦だった。

自身の悲願であった新・ベルナベウが完成。

ピッチを地下に収納出来、屋根があることからライブ会場や他のスポーツイベント利用が可能で、この夏はテイラー・スウィフトのツアーで使用された。

エンバペと試合のない日も稼げるスタジアムを手に入れ、自身の幼少期の憧れである1950年代のスター揃いのチームの再現を狙い続ける。