「団結すれば強くなれる」
#APorLa13 (13回目へ)と銘打たれたハッシュタグのもと、マドリーは選手のメッセージ動画を通じて、ファンへの応援を呼びかけた。
CLでの重要な試合前に、チームがベルナベウでの団結を呼びかけるのは、もはや恒例行事になりつつある。
自チームの選手へのブーイングが日常茶飯事のベルナベウでは、こういった機会になると、チームは「こんな時ばかりはブーイングではなく、応援でチームを後押ししよう」と呼びかける。
1月はマドリーにとって、騒がしい月だった。
フロントとジダンとの温度差により、噂されていたアスレティック・ビルバオのGKケパの獲得は消滅し、
マドリーはスカッドに一切手を入れることなくCLを迎えることとなった。
クラシコの0-3での敗北、格下レガネス相手に不覚を取ったコパ・デル・レイの敗退により、「ポスト・ジダン」がちらつきはじめたのが、マドリーの1月だった。
かつてなく不穏な空気がチームを覆い、紙面には来季の構想が踊るようになった。
しかし、マドリーは、ピッチ上で光を掴む。
リーガでは、マドリーは最悪の状態を脱しつつある。
1/22のデポルティボを7点取って蹴散らすと、翌週の難所であるアウェーのメスタージャで1-4の勝利。
2月に入りレバンテには不覚を取ったが、CL直近のレアル・ソシエダ戦では「これがCLモード」と言わんばかりの、見違えるようなパフォーマンスを披露した。
クリスティアーノの今季初のハットトリックを含む5得点での勝利だった。
レアル・マドリーにとってCL優勝はすべての免罪符である。
劇的なラモスのヘッドから栄冠を引き寄せたラ・デシマの際のリーグ順位など誰も話題にしない。(3位)
ジダンのボレーでレバークーゼンを退けた時も、リーグ順位は悪かった。(3位)
マドリーはこのタイトルさえあれば、と、今シーズンのすべての希望をぶつけている。
問題は多い。
ケイラー・ナバス、キコ・カシージャは、先述の通り新たなGKの獲得を取り沙汰されるような出来で、リーグ戦わずか2ゴールのカリム・ベンゼマは、メディアとブーイングの餌食となっている。
集中力を欠いた安易な失点も目立つ。
が、ポジティブな要素もなくはない。
コパでの敗退はスケジュールを緩和し、ここ1ヶ月近く、マドリーは試合は週1度だけという状態が続いた。チームは回復した。
ジダンのサイクルは終わりに近づいている。
が、ジダンのサイクルは、CLに常に愛されたサイクルでもあったはずだ。
ソシエダ戦後、これよみよがしにベルナベウではCLアンセムを流し、ファンを煽った。
憎たらしい演出だ。
やはり、このチームはCLが全てなのだ。