みなさんこんにちは。
普段はnoteでマドリーの騒がしい日常について書いたり、試合前のカルロ・アンチェロッティの前日会見をXで訳したりしています。
今週末はクラシコが開催されます。
リーガありがちの深夜28時ときつい時間なのですが、結構面白い試合になりそうなので、今回は是非見てほしいです。
実際、これをお読みの他リーグ好きのみなさんが、わざわざ28時に起きてU-NEXTかDAZNを付けるとはあんまり思いません。
おふとんのほうがクラシコより魅力的なのは私もわかります。
けど、これまでこんな感じでクラシコを過去に何度か紹介してきましたが、両チームとも色々変わったし、今回は結構面白いクラシコになると思います。
バルセロナにはハンジ・フリックが来て、マドリーにはとうとうエンバペが来ました。両者の初クラシコです。
何より両者直近の試合がいいんですよね。
バルセロナはバイエルンを4-1で粉砕し、マドリーはドルトムント相手に0-2からひっくり返して5-2で勝ちました。
今回は、普段スペインメディアに触れている私が、初心者向けに両チームの現状を雑に説明しようと思います。
初心者向けなのであんまり細かい話はしません。レアル・マドリー、バルセロナのファンの方向けではありません。
雑なので、細かいツッコミはやめてください。あくまで初心者向けです。
バルセロナ
今のバルセロナは勢いがあります。リーガは開幕7連勝とロケットスタートを決めました。
CLでは初戦でモナコに負けましたが、これは前半10分でエリック・ガルシアが退場したゲームで、リーガで連勝が止まったオサスナ戦は、日程がきつすぎてメンバー的にほぼ捨てたゲームでした。
この2試合以外はすべて勝っています。
直近のバイエルン戦では、コンパニ率いるバイエルンとバチバチでハイラインでやり合い4-1で完勝しました。
フリックみたいなドイツ人監督が、なぜプレースタイルにこだわりの強いバルセロナで受け入れられているのかと疑問に思う方も多いと思います。
私が見る限り、どうやらバルセロナの人たちはパスと同じくらいハイプレスが好きなんですよね。
これは合ってるかわからない。けどたぶんそう。
フリックのサッカーは、そこはカタルーニャの人の好みと合ってるんですよね。
結果と合わせて、そこが割とすんなり受け入れらてる要因かなと思います。
パスに関しては、中央のコアはペドリやカンテラーノ(カサド、クバルシ)が担当していますし、パスワークはフリックが教えられなくても(カンテラで教わっているので)出来る人たちばかりなんですよね。
前監督はチャビですし。
そこにフリックのハイプレスと縦に早い戦術がハマっている感じがします。
ペップとかチャビは「バルセロナはメディアがきつすぎる」みたいなことをよく言います。
フリックは会見は英語でやっており、カタルーニャ語もスペイン語も(今のところ)話さないのですが、メディアの雑音が言語的に聞こえないぶん、のびのびやれている印象があります。あとチャビ政権の頃と比べると、選手の筋力量が明らかに増えましたね。チームのフィジカルパワーが上がったと思います。
フリックは、コミュニケーション能力の高さが見ていると目立ちます。
カサド、残念ながら先日前十字靭帯断裂してしまったベルナルを筆頭に、若い選手たちはフリックのアドバイスを素直に聞いており、彼らにとっては「異文化」のフリックのドイツサッカーを楽しんでいる印象があります。
加えて、レバンドフスキやラフィーニャのような選手に気を使い、気持ちよくプレーさせるのもフリックはとてもうまいです。
選手にハグをしたり、1人1人と選手としてというより人間として向き合ってると思います。
現在のチームのキーマンはラフィーニャです。もともとラインを突破する裏抜けと運動量クロスの精度の高いウイングプレイヤーである一方、デンベレのような一瞬の超絶なスプリントはさほどではないという特徴がありました。
チャビ政権下ではピッチを圧縮する戦術で、良さが完全に出ていたとは言い難いのですが、前にスペースがあり、馬力を活かせるフリック政権下では別人のように輝いています。
バルセロナにはロマーリオ、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ、ネイマールという輝かしいボールマジシャンのブラジル人の歴史があり、「ブラジル人なのにマジックがない」とチャビ政権下ではメディアに散々ネガティブに叩かれていたのですが、現在は手のひらを返したように称賛されています。
バルセロナを唯一悩ませているのは怪我人で、フレンキー・デ・ヨング、ガビ、クリステンセン(いろいろあって登録外)、今季加入のダニ・オルモ、フェラン、アラウホ、前十字靭帯断裂してしまったテア・シュテーゲン、ベルナルなど、少し前まで大量の怪我人を抱えていました。
しかしアンス・ファティが徐々にコンディションを上げており、フレンキー・デ・ヨングに続きセビージャ戦ではガビ、バイエルン戦ではダニ・オルモが帰ってきて、これからますます中盤が充実しそうです。
レアル・マドリー
「クロースがいなくなってうまくいかなくなった」
普段見てない人に説明するには、もうこの一文だけでいいんじゃないかと思うんですよね。
かつてカゼミロが、「マドリーの攻撃が行くか行かないかは全部トニ(・クロース)が決めてる」みたいな発言をしたことがあるのですが、その彼がいなくなりました。
クロースは2014年からいたので、まるまる10年マドリーのゲームメイクをやっていたんですよね。
そもそもEUROでのクロースの活躍をみなさん見たと思いますが、そりゃあの人がいなくなれば同じようにはできないって感じなんですよね。
でもエンバペが来ただろ、と言われそうです。
そうなんですけどね。そうなんですけどねって感じです。
マドリーはエンバペを9番で起用しているのですが、リーガで下位相手にすると引かれるんです。
そうするとエンバペは最前線なので前にスペースがなくなるんです。
そこがちょっと窮屈そうなんですよね。
彼、センターフォワードのプレーは普通に全然うまいんですが、ヴィニに気を使って左に流れるのもここまではやや抑え目だったり、まだちょっと遠慮気味な感じです。
あと、今季はベリンガムが1点も取れていません。
前線が重くなったので、昨年よりも中盤よりのプレーが増えています。
マドリーもバルセロナと同様に、怪我人にも悩まされています。
カルバハルがとんでもない怪我(前十字靭帯断裂・外側側副靭帯断裂・膝窩腱断裂)をしてしまい、クルトワがCLで今季2度目の筋肉系の怪我、ロドリゴもハムストリングをやってしまいました。
アラバは相変わらず離脱していて、復帰は来年と言われています。
ミリタオ、リュディガーの次のセンターバックはチュアメニで、その次はいません。厳密にはいるんですが、いないようなもんです。
そんなマドリーですが、「CLのマドリーらしい」ドルトムント戦の豪快な逆転劇で、一気に流れを引っ張ってこようとしています。
レアル・マドリーはCL至上主義のクラブとして知られています。CLが最も重要で、CLこそがチームを測る基準となっています。CL取れればリーガなんてどうでもいいみたいな空気すらあるほどです。
バルセロナに比べて流れは悪かったのですが、あまりにそのCLで劇的な勝ち方をしたので、この勢いをそのままにクラシコを!って感じです。
試合の見どころ
現在のマドリーは引かれた相手よりも、ヴィニ、エンバペによる空いたスペースをつく高速カウンターを得意としています。
なので現地ではハイラインを引くフリックが、マドリーに対してどう出るのかが注目されていますし、多くのプレビューではそう書かれると思います。
けど単純に、バロンドール有力候補のヴィニやラミン・ヤマルを筆頭に、エンバペ、レバンドフスキ、ベリンガム、ラフィーニャ、ペドリなど、純粋に前線のタレントが多く揃っていて、彼らのクオリティを楽しむのが良いと思います。
攻撃的な試合になると思いますし、クルトワ、シュテーゲン、カルバハル、アラウホ、クリステンセンなど、守備は欠場者が多いので、小学生みたいな気分で、攻撃のタレント達を楽しんでほしいです。
どっちも正ゴールキーパーいませんしね。
クラシコはビッグマッチであり、スペインサッカー1番のお祭りでもあるので、気軽なかんじで見てください。
それではまた。